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山村 聡太*; 藤原 広太*; 本田 恒太*; 吉田 啓之; 堀口 直樹; 金子 暁子*; 阿部 豊*
Physics of Fluids, 34(8), p.082110_1 - 082110_13, 2022/08
被引用回数:2 パーセンタイル:37.96(Mechanics)液-液系の衝突噴流における液体の広がりと微粒化は、浅い水槽への高温溶融物質の冷却挙動を理解する上で非常に重要であると考えられている。この現象は、液体噴流が非混和性液体で満たされたプールに入る時に発生し、噴流は床面に衝突した後、薄い液膜を形成しながら放射状に広がり、液滴が微粒化する。本論文では、3次元レーザー誘起蛍光法(3D-LIF)計測と3次元再構成により、ジェットが拡がる非定常3次元挙動を定量化した結果を説明する。高流速条件下では、液膜の広がりとともに跳水および微粒化現象が発生した。この液膜の広がりを評価するために、拡がりの代表値として跳水半径位置を求めて既存の気液系の理論との比較を行った結果、液液系は気液系よりも液膜の拡がりが抑制されることがわかった。さらに、液膜の跳水メカニズムにおいて重要な因子とされる液膜中の速度分布を粒子追跡速度計測法(PTV)により計測することに成功し、液膜中の速度境界層の存在を確認した。これらの結果から、液-液系では、界面でのせん断応力により流速が低下し、速度境界層の発達が抑制されることが明らかとなった。また、微粒化挙動を評価するため、取得した噴流の三次元形状データから、微粒化した液滴の数と直径分布を測定した。その結果、液滴の数は流速が大きくなるにつれて増加した。これらの結果から、我々は、微粒化挙動が液膜の拡がりに影響すると結論付けた。
三島 嘉一郎*; 齋藤 泰司*
JAERI-Tech 2002-014, 83 Pages, 2002/03
シビアアクシデント時の溶融燃料プールと冷却水との液液界面における熱伝達の把握を目的として、溶融ウッズメタルと蒸留水とを用いた定常及び非定常熱伝達実験を行った。定常実験では、自然対流領域から膜沸騰領域に至る沸騰曲線を取得するとともに、沸騰挙動を高速度ビデオにより観察した。非定常実験では、高温の溶融金属上に蒸留水を注入し、冷却過程における沸騰曲線を得た。得られた沸騰曲線を、固液系及び液液系に対する既存の相関式や実験データと比較し、以下の結論を得た。(1)界面の揺動が無視でき、かつ、界面に酸化膜に形成される場合には、液液系の沸騰曲線は、固液系の核沸騰及び膜沸騰領域の熱伝達相関式並びに限界熱流束相関式により概ね予測できる。(2)液液界面に酸化物が存在しない場合には、Novakovicらの水銀を用いた実験結果と同様、液液系の沸騰熱伝達は固液系の沸騰曲線により高過熱度側に移行する。(3)非定常状態における膜沸騰において、熱伝達率は、固液系の膜沸騰に対する推算値より約100%程度大きい値を示した。これは、界面全体の激しい揺動のために、みかけの熱伝達率が増大したものと考えられる。